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撥の傷

あるお客様の話。
「ここで買った津軽べっ甲撥に線のような傷がつくんだけど鼈甲が柔らかいんじゃないの?」
「ちょっと見せてください」

撥を見ると先から1cm位まで溝がかなり出来ている。

「お客さん、ちょっとその撥でこの三味線弾いてみてもらえますか?」
店の三味線を弾いてもらう。
撥の叩き方を見ると、俗に言うヒッカキ撥で糸を擦っている。

「お客さん、その弾き方だとどんなべっ甲撥でも溝ができますよ。
その撥の握り方の原因が有るようですね」

ちょっと出すぎたことを言ってしまったかな。っと思いましたが、内の撥を批判されたので
少しアドバイスをしてしまいました。

「えっ?そうなの。でも、師匠は撥の握り方まで教えてくれないし
自分で良いと思って握っているんだけど」

「?」

そのお客さんが「ちょっと、撥の握り方教えてくれませんか」と言う。
それから約30分間握り方の講習をしてしまいました。

ちょっと、よそのお弟子さんに余計な事してしまった様です。
指導の師匠ゴメンナサイ!
でも、撥の握り方は指導した方が良いと思いますよ。

そのお客さんそれ以来時々来店するようになりました。

毎度有難う御座います。

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